5月12日 SWAT!165 山本空良選手が快勝

メジャー大会で活躍する多くの選手を輩出してきた総合格闘技イベント、ZST(ゼスト)。必要以上の暴力性を排除した独自のルールにより、スポーツライク、そしてグラウンド色の強い試合が見られるのが特徴だ。

ZSTは「本戦」と呼ばれるメイン興行の他、SWAT!(スワット)という興行も同日に開催。本戦への登竜門的な存在であり、ここでプロデビューを果たす選手も多い。

5月12日(土)に新宿FACEで行われたSWAT!165では、Power of Dreamジム所属の山本空良が初参戦し、1R 3分37秒、三角締めで勝利という見事な結果を残した。

勝利から数日後、いつものようにトレーニングに勤しむ山本選手にプロデビュー後初のインタビューを行った。

「いつも通りをそのまま出せたら勝てる」と確信。

──(インタビュー時点で)公式動画がまだアップされてないので、ひとまず山本喧一会長のブログから戦いの詳細を引用させていただきます。

開始早々低空タックルを相手に切られたが、そのまま引き込みクロスガードからトライアングルポジションへ上手く移行出来、そこから極めに行こうとするも相手が肘を引いてブロック、パワーの無い息子はすかさずパウンドを左右から打ち込み相手にもパウンドを誘発させ腕が緩んだところを極めに行こうとしたが、相手もそこは上手く反応され、なかなか三角絞めの完全体に持って行けずブロックされる中、次に息子が取った行動は肘を引いてブロックしている相手の肩と首の間に拳を突き付け隙間を埋めて絞めに入る、その手を相手が払いのけようとした一瞬緩んだ相手の腕を巻き込み完全体トライアングルへ..あとは頭をシッカリと引いてヘソを突き出して勝負あり。普段練習でやっている一つのパターンがバッチリ決まった瞬間であった。プロデビュー戦にもかかわらず、終始冷静に戦い抜いた息子にはアッパレである。

(引用元:http://yamaken.blog.jp/archives/53280249.html)

…と、会長からは高評価でしたが、冷静に戦えているなという実感はありましたか?

 

山本:ありましたね。試合の一つひとつの行動を覚えてます。いつものスパーリングをやっている感覚がありました。緊張しなさすぎるのも良くないかもしれないですが、試合という感じはせずいつも通りに動けたので、ここは大きな進歩だったと思います。

 

──試合前のインタビューでは「今までの練習や経験が出せるかどうかが勝利の鍵」とおっしゃってましたが。

 

山本:はい、試合前の練習でやってきたことを全て出した。全てが試合のための練習だったんです。この鍵を使えたからこそ、今回は1Rで終わらせることができた。格闘技って恐怖との勝負という所があって、怖がったら負けちゃうと思うんです。普段のスパーリングって色々な技や動きに挑戦しているから、動きが良いですし、怖くないじゃないですか。この“いつも通りの動き”ができれば試合には勝てると信じていました。

 

──試合のための練習を意識してみっちりやっていた。それが全部使えたということですね。相手はピロクテテス新潟というジムに所属の須貝秋彦選手でしたが、あまり情報のない相手と試合をするのはどうでしたか?

 

山本:プロの試合は初めてでしたが、今までPFCでプロに近い選手と試合させてもらったり、RIZINのアマチュア大会でも試合させてもらっていた。アマチュアの中でも自分はプロに近いレベルに達しているという自信はありました。そういう経験があったので、情報はなくても相手がデビュー戦だったら勝てるなという確信はあったんです。今までの試合の中で一番自信を持つことができていたので、試合をするのが待ち遠しかったです。

 

グラップリング主体のZST。本戦出場への可能性が見えた

──ZSTに出ることが一つの目標ということでしたね。大会全体はどういった雰囲気でしたか? 楽しめました?

 

山本:ZSTはグラップリングが目立つ試合が多いイメージがあって。自分は打撃じゃなくてグラップリングが好きなので、目指したい道がZSTさんにあった。格闘技でも殴り合いの試合したかったら、キックボクシングとかでもいいじゃないですか。自分は柔術とかレスリング、グラップリングの試合がしたかったので、今回出させてもらいました。ただ今回はプロ戦ではありますが、SWAT!はZST本戦の二番手みたいなものなので、本戦の雰囲気ではなかったと思うんですよね。まだ目標には達していないので、いつか本戦に出たときに楽しみたいなと思います。

 

──SWATで良い試合をして結果を残せば、本戦に出られる可能性は大いにありますからね。

 

山本:意識はしてもらえているという話は聞きました。何より今回良い試合ができたので、うまく行けば今年中には出られるんじゃないかなと思います。

 

プロとしての身体を作り、皆を楽しませる試合をしたい

──プロデビュー後、行動面や意識面など変わりました?

 

山本:練習面では変わってないと思います。普段やっている練習の量は多い方だと思うので、増えたっていうわけではなく。でも一般会員の方とは違うじゃないですか。プロの試合で経験したことを他の人に伝えて、プロの試合を身近に感じてもらって、一般会員の方にもどんどん試合に出てもらいたい。試合で戦うのは楽しいと思います。そういう点でも自分が学んだことを伝えていきたいですね。どんどん聞いてほしいです!

 

──とは言え、プロになったら一戦一戦が記録に残っていく。どこへ行っても何戦何勝何敗と書かれるので、一試合が重いですよね。

 

山本:そうですね、アマチュアの時は世界から全く見られてない存在ですが、プロになった瞬間からいろいろな人に見られている。そういう点では結構重みも感じます。

 

──初戦は見事勝利を飾りましたが、戦いを通して見えた課題などはありますか?

 

山本:昔からのことですが、技術メインで練習してきたところもあって、フィジカルが弱く筋肉がない。技術だけで勝っていくこともできますが、より上を目指すには筋肉が必要になると思います。高校生の身体から大人になっていくので、がっちりとしたフィジカルを作らないとプロでは勝っていけない。鍛えます。

 

──最近PODジムで、トレーニング器具が増えましたからね。どの位やってますか?

 

山本:今のところは月水金でやってます。器具を使ったトレーニングは好きじゃないので、自重でやってますね。スクワット300回とか、ライオン150回だとか。

 

──フィジカルを強化したら、体重は増えそうですね。現在はフェザー級ですが、今後階級は上げていくのですか?

 

山本:できれば今のままで行きたいですが、身長を考えるとライト級になるのかも。ただ、体力・パフォーマンスを下げちゃうような減量は避けたいです。プロの試合では自分が勝つのも大事ですが、面白い試合をしてお客さんが楽しんでくれるのが一番。自分のレベルではまだまだそんなことは言えないかもしれませんが、お客さんを第一に考えて楽しい試合を見せていければと思います。そこへ一歩ずつ近付いていきたいので、まずは筋肉を増やしていく。階級はライト級でも良いですし、まだ詳しいことは決めていません。

 

──第一はプロとしては面白い試合をすること。それができるための身体作りをするということですね。第二戦、いつになるかはまだ分かりませんが、面白い試合を期待しています!

 

山本:ありがとうございます!

 

SWAT!165公式記録はこちら 

北海道MMAを盛り上げたい。有言実行の格闘家に期待

かつてのインタビューで「北海道にも強い奴がいると示したい」「北海道全体で強くなりたい」と語っていた山本選手。今回のプロデビュー戦の勝利は、自身の発言の通り道産子MMAファイターの存在を周囲に示し、また北海道の格闘技界を元気付けたものとなった。飄々と、だが着々と前進し続ける若き格闘家。第二戦も全力で応援していきたい。

ライター
under construction 縄文マスク PN


プロレス観戦をきっかけに、格闘技の世界に迷い込む。戦闘力を高めるために鍛錬中。雑誌ライター。