先日行われたPFC CAGE FIGHTのメインイベントであるバンタム級タイトルマッチにて、惜しくも遠藤来生選手に敗れタイトルには手が届かなかったものの、タイトル戦にふさわしいベストマッチを見せてくれた森崇純選手。その後の心境や総合格闘技にかける思いをインタビューさせていただいた。

先日のタイトル戦のレビューはこちらから

4.1遠藤来生初防衛!
空手道からその軌道を総合格闘技の世界へ方向転換し参戦してきた禅道会の森選手の率直な今の気持ちと今後の目標を伺った。

敗戦からも心機一転練習再開!

──PFCのバンタム級タイトル戦から2週間。現在の心境はいかがでしょうか?

自分としてはあの試合に命を懸けてたというか本気で挑んだんですけど、結果としてああいう形になってしまったので、結構喪失感というか、何もできない状態でふてくされていました(笑)

──ふてくされてたんですか?

遊び呆けてました。心が整理できてまたやりたくなったら始めようかと。今週から久しぶりにまた練習をはじめた感じです。

──ふんぎりはつきましたか?

そうですね。次の試合のことを考えて心を問いただしたときに、次は勝ちたいという目標があったので。

虎視眈々と狙い続けるベルト。目標は中央

──PFCのバンタム級タイトルはずっと狙っていくと?

はい。狙いつつも自分の一番の目標は、やっぱり道外(中央)で試合がしたいという気持ちが強いので。

──なるほど、ここで結果を作ってその結果を足がかりにするとか。

それもありますが、経験を積むという意味でも。5分5ラウンドで戦うという場も少ないですし、それを想定して練習もしてきたので、あの試合はいい経験になったと思っています。

──対戦相手の遠藤選手について、今はどういった思いがありますか?

やっぱり強かったなというのが率直な感想です。対応力が違うなと。昨年12月の試合では正直自分のほうが押してたなという思いがあったんです。

──そうですね。打撃でかなり押してましたね。

はい。なので、同じような戦法でいってもいいんじゃないかと思ったんですが、あのときの遠藤君とはちょっと違ってて、自分はローキックが得意なんですが、そこに合わせたタックルだったり、ローキックをかわすための右回りの動きだったりとか、12月のときとは打って変わって僕の戦法に対する対応力が勝っていたので、そこが経験の差かなと感じました。

──遠藤選手はGRACHANだったり中央の試合にも出てるので、経験値は多いですよね。

はい。そこは自分よりも上なので、経験の差の開きが出てしまったのかと。

──遠藤選手は次のGRACHANも決まってますが、やはり自分も!という気持ちになりますよね?

もちろんです。こういった競技をやっているので、ゆくゆくはそういった舞台に出て行って勝ちを得れるような選手を目指してます。

──では、今後目指していくところは中央、もしくは世界?

(笑)もちろん世界で通用する選手になりたいです。でもまずは北海道を制して道外(中央)で試合をしたいです。その先には世界も見えて来ると思うので。そういう心はあります。

主戦場のPFCは強豪揃いの激戦区!

──次のPFCは函館がありますね。さらにその後もPFCは控えてますよね。

そうですね、まだ練習再開したばかりで考えてなかったですが、声をかけていただければ出場させていただきたいですね。

──バンタムのタイトルというところでは、西選手(髑髏会)、松浦選手(棚田道場)、GEN選手(BIF)も狙ってますよね。「森に勝ってから」という話になるかもしれないですね。

そうですね。自分のバンタム級というのは激戦区なんじゃないかなと思っているので。

──強豪揃いですからね。

ハートの強さでタップしない男

はい。実は昨年10月に西君と試合をして引き分けてはいるんですが、内容的には僕のほうが負けてたんじゃないかと思ってるので、リベンジしたいという気持ちもあります。

──なるほど。10月に西選手と分けて、12月に遠藤選手と分けて、今月の4月は遠藤選手とのタイトル戦。惜しくも逃してしまいましたが、このスピーディな流れはドラマティックですね。

一応年末はGEN君との試合予定だったんですが、D-SPIRALでGEN君と西君が戦って、西君の腕十字でGEN君がケガをしてしまったんですね。それで遠藤君と試合することになったんです。

──西選手の腕十字は危ないですからね~。得意の決め技ですね。

自分も西君とやったときは腕を極められたんですが、絶対負けたくないと思ってタップしませんでした。腕がピキピキいってたんですけど・・・なんとか逃れました。

──あぶないあぶない!

タイトル戦でも残り10秒くらいだったので、耐えれるかと思ったんですが・・・

──ゴングギリギリでしたもね。

たぶん、4秒くらいで気絶してました(笑)

──あぶないと思ったときはタップしないと!

負けるくらいなら・・・という気持ちになるんです。

空手から総合への経緯

──ちょっと話は変わりますが、そもそもは禅道会なので空手をやっていたんですね。

はい。子どもの頃から去年までバリバリやってました。去年はそんなに成績はよくなかったんですが、2015年には新極真の北海道大会で準優勝させていただいたりしてました。実は新極真の大会だったんですが、他流派の禅道会の二人で決勝だったんです。

──あ、弟の?(森選手の弟は空手で数々のタイトルを所有する「森 洸稀」氏)

森:はい。それから弟は調子に乗って全国一位になっちゃいました。

──正道会館主催の大会でも優勝してましたよね?

森:はい。兄弟とは思えないほどです。体つきも顔も。まあ僕のほうがイケメンですけど(笑)

──では、空手でもそれなりに結果を出してたということですよね?

高校の時に全国で3位になったことがあるくらいで、その後は結果を出せてなかったんです。全日本で結果を残すために、全道や関東、関西の試合に出るなど、飛び回ってました。ですが3年くらい全日本では結果を出せてなくて、少し空手を諦めかけてた時に総合の話がありまして、2016年の年末「やれんのか」に出場したんです。

──団体戦で禅道会が優勝したときですね。

あの時に、チョークスリーパーで1本と打撃でKOしたんです。そこで総合がちょっと面白いぞ!と思ってしまって。今までやったことのない経験がものすごい楽しくて。そして小さい頃にPRIDEとかも見てたので、なんか目覚めたというか(笑)

──これは面白いぞ!と?

はい。そしてPFCって入場だったり演出が派手でいいじゃないですか?(笑)

──PRIDEのミニチュア版かな?(笑)

そうですそうです!ショーアップされた感じで気持ちが上がります!カッコイイじゃないですか。

とにかく経験がほしい気持ちが強い森選手

──そしてPFCは他の大会に比べて開催頻度が多いですからね。

そうですね。

──やっぱり選手が経験を積むには試合が多いと有り難いですよね。

空手も同じような感じで、北海道の外に行かないとなかなか経験を積める試合が無いんですよ。北海道で試合があったとしても、そんなに実力者と当たらないのでなかなか試合が上手くならないというか。

──空手のほうは一切引いちゃうんですか?

僕的にはそうですね。空手と総合って全く違うんですよ。空手には顔面も無いですし、タックルも関節もないので、打撃の繰り出し方も違ってきます。また空手に戻すと総合でやってきたことをリセットすることになるので。基本的には総合一本でいこうかと。ぼくも25歳なのでそんなに残りも長くないので。

──いやいや、何を言ってるんですか!?50歳前後でリングに上がってる人たちもいるじゃないですか!

確かに!すごいですよね!僕にそこまで出来るかどうか・・・

──ある程度早くに結果を出したいと?

そうですね。確かにそういう気持ちも強いですが、そのためには経験が必要だということを今回の試合で実感しました。そして経験を積んだあとには中央での試合を是非やってみたいです。PFCさんはNEXUSさんとも提携してますし、チャンスがあったら是非出てみたいですね!

──ちなみに対戦したい相手はいますか?主戦場のPFCでもいいですし、他のプロモーションでもいいですし。

森:そうですね。対戦したい相手というよりもケージという環境での試合の経験を積みたいですね。きっと遠藤君もGRACHAN等でケージでの経験が僕よりも多いので、金網際の攻防というか、身のこなしというか、圧倒的に上手かったと思ったので。

──相手じゃなくて、ああいった環境でやってみたいと?

リングとケージという両方の経験を積んで、どちらでも戦えるスキルを身につけたいという気持ちがあります。

──世界の標準もケージが主流ですしね。

そういった経験の先に道外(中央)での試合があると思うので。

──それでは最後になりますが去年後半から先日のタイトル戦と、見ごたえある試合が続いて森選手に期待するファンもついてると思うんです。そういった方々にコメントをお願いします。

タイトル戦には命かけてたんで、ちょっと2週間くらい腐ってたんですけど(笑)、また上を目指して経験を積んで上がっていきます!中央の試合にも辿りつきます!期待しててください!

──今回はお付き合いいただきありがとうございました。

ありがとうございます。

これからも森選手から目が離せない!

本人曰く経験不足というところで今回は惜しくもタイトルには手が届かなかったが、「来年の今頃はチャンピオンになってる」という言葉が飛び出すほど敗戦は尾に引いていないようだった。

何よりも負けん気とハートの強さが今回のインタビューを通して垣間見れた。

そして経験を重視しアグレッシブに試合もこなしていきたい姿勢。経験を積んだ暁には中央の舞台へ行きたいとの向上心が強いことも伺えた。

所属の禅道会もさらに総合にも力を入れていくということで、これからも森選手は激戦区のバンタム級において目が離せない存在になるだろう。

【プロフィール】
名前:森 崇純(もり たかずみ)
生年月日 1992年10月28日
出身:札幌
身長:173cm
体重:67kg
所属:禅道会北海道
札幌市中央区北6条西19丁目1-4 大誠舘

ライター
劇進 康(げきしん こう)


格闘技歴ゼロ素人、観戦専門。
ただただ格闘技を観るが好きで、酒の席でプロレス、格闘技トークで仲間と盛り上がることが趣味。無類の北斗の拳オタク