PFC一部のメインは遊び心?満載!
PFCは毎回二部構成でイベントが行われており、一部は総合のデビュー戦や、試合経験の浅い出場者などでカードが組まれることが多い。
選手にとってはガチな二部と初心者な一部的な捉え方もできて、選手として出場もしやすいだろう。
そんな中、メインカードはPFCのBルールのカードが組まれることが多い。
BルールはあのUWFで採用していたルールに非常に近いのだ。
そんなBルールで戦いたいと思う選手も存在し、これはMMAなのか?プロレスじゃん!と思うような試合展開になることもしばしば見受けられる。
しかし「総合格闘技」となると世間では馴染みの薄いジャンルになってしまうところを、こういった誰もが見て分かりやすいプロレスな流れを見せることは「総合格闘技」を知ってもらうため、裾野を広げるという意味合いで、筆者的には有りな催しだと感じる。
まだまだマニアでニッチなファンで成り立ってる世界。
一般層、女性や子どもが見ても分かりやすい催しとして容認するあたりに、イベントの懐の深さを感じるのだ。
マスクマンが暴れまわる!
他の総合格闘技イベントではまずありえないのだが、マスクマンが登場し、ほぼプロレスを見せてくれることも。
4/1に行われたPFC CAGE FIGHTの一部メインイベントでは、PFCでお馴染みのケンドー・ヨシンvsレッドドラゴンのカードが組まれた。
今回も多いに会場を沸かせてくれました。
チャンピオンベルト持参?
ケンドー・ヨシンが登場するなり、とりあえずレフェリーにからみはじめ、レフェリーのメガネを奪い取りぶっ壊すというシーンからスタート。
さらに、自分で持参したチャンピオンベルトをかけて、この試合がタイトルマッチであると宣言。
いきなりの展開に焦った主催側からは「このタイトル戦はPFC非公式にて行われます」というアナウンスが。
こういった見せ場を自分たちで演出してしまうあたりにはプロ意識を感じてしまう。
試合展開はスピーディーで見せ場のある腕前
プロレス的な流れになると、やはりプロレス的で見るものを飽きさせない展開が必要になる。
そんな不安を感じさせない試合運びを見せるのは技術がいる。
序盤は蹴りの応酬、張り手の連発で相手の様子を互いに探り合う。
ドラゴンスクリューやレインメーカーなども飛び出す!
観客からも「おーーっ!」という歓声が湧き上がる。
こういったあたりは技の技術と受けの技術が互いに要求されるワケだが、総合格闘家としても基本・基礎を学んでいる二人だからこそ、あっさりやってのけ、魅せることができるのだろう。
プロレスの定番技の数々も!
みんな大喜び、アントニオ猪木の十八番コブラツイストが飛び出したかと思うと会場はドラゴンコールに。
数あるプロレス技の中で定番中の定番関節技といえばこの四の字固めだろう。
子どものころ、プロレスごっこで試した人も多いであろう。
誰もが知っている関節技の代名詞だ。
ここも色々な技の応酬の中からの結果が四の字になると「おお!」っと唸ってしまう。
プロレスでも地味な技に見られがちだが、実際に技が入ると相当痛い。
必死に体を返せば技をかけらている方が技をかけていることに。しかし返そうとするきには深く決まる。諸刃の剣だ。
さらには、この総合格闘技用の硬いマットの上でジャーマンか?マジですか?
いくのか?行くのか?
逃げられてしまったかぁ!
ドキドキハラハラさせてくれます。
場外乱闘もありなのか?
もうやりたい放題である。
「危険ですので近づかないでください。バカが伝染ります」というアナウンスが流れる中で、場外で暴れる二人。
MMA興行では絶対にお目にかかれない光景であろう。
最後もプロレスな技で決着!
そして、フィニッシュホールドもプロレスの往年の技!
レッドドラゴンの卍固めにケンドー・ヨシンがタップしたところで決着。
その瞬間、どこからともなくPFC Bルールではおなじみのタイガーマッスルが乱入
レッドドラゴンを滅多打ちにして去ってしまうというサプライズ演出
こういった演出も会場を大いに沸かせてくれる。
少しだけ頭の中をユルくして
こういった試合がMMA興行の中で共存しているというのも賛否はあるだろうが、筆者的には大いに賛成派である。
MMAを安く見るわけではなくMMA観戦が好きだからこそである。
しかし中には、こういった試合がMMAの試合と同居していることに拒絶反応を示す者もいるだろう。
真面目に総合格闘技に向き合ってる者ほど嫌悪感を抱くのかもしれない。
だがイベント自体は長い時間に渡っていて、メインカードや注目のカードまでに、中だるみすることもよくある。
メインや注目のカードまで、それ同等の試合を組むことはなかなか難しいだろう。
格闘技のイベント自体の入場料は割と高い設定のものが多い。
入場料をとっているからには観客を飽きさせることなく通して観戦させ、入場料に見合った価値観を、観客には与えないといけないのである。
それができなければ、学生の部活である。
少し頭の中をユルくして、数あるMMAの試合の中に、こういったノリの試合も有りではないだろうか?という考え方ができれば、来場した観客を満足させて記憶に残るイベントにできるのではないかと思う。
そういった意味で、PFCでは一部・二部という区切りの中で、ある程度住み分けができているような雰囲気を感じとれた。
こういった催しが観戦しに来る目的になって、MMAへの本格的な興味に変化してもらってもいいのではないかと筆者は思う。
もしかしたらこちらが一人歩きして、MMA主体のイベントから飛び出し、独立したイベントへと成長したら、それはそれで楽しみなジャンルでもある。
そしてレッドドラゴンが新王者に(PFC非公式)
ライター | |
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劇進 康(げきしん こう)
格闘技歴ゼロ素人、観戦専門。 |